コンテンツ全体の編集

SCASには、コンテンツを制作するにあたっていくつかの編集ツールが用意されています。これらのツールを使用して、表示の重複チェックやワイプタイミングの調整などを行い、コンテンツ全体を仕上げていきます。
また、制作したコンテンツにはコンテンツ情報を設定してください。

ワイプ編集
テキストの色替え時間を、音楽の再生に同期させるための編集ツールです。
メインウィンドウのメニューから [ツール] → [ワイプ編集] を選択するか、或いはツールバーの[ワイプ編集]ボタンを押します。

ウインドウには、トラックに含まれるテキストイベントの文字列が時系列に表示されます。各イベントはライフタイム分の長さを持った直方体として表現され、これをイベントバーと呼びます。イベントバーの位置が表示開始時間を示し、長さがライフタイムを示しています。また、色替えが有効になっているイベントでは、イベントバー上に色替えマーク [▼] が表示されます。イベントバーの色は、色替えマークの左側が色替え前、右側が色替え後の色で表示されます。
文字列は灰色のバーで表示され、ここをマウスでクリックすることでワイプ編集用のフラグを設定したり、ドラッグすることでワイプタイミングの調整を行うことができます。

時間軸の表示
ウインドウの横方向は時間軸で、コンテンツの先頭からの時間を示しています。
時間軸には[拍子表示]と[実時間表示]の2つの形式があり、表示を切り替えるには[表示]→[時間軸の表示]メニューで選択します。ワイプ編集ウィンドウを開いた直後はメインウィンドウと同じ時間軸で表示されます。
ワイプ編集の手順
  1. ワイプタイミングフラグを設定します。
    イベントバーのテキストをクリックするか、[フラグ] メニューの [全て設定] もしくは [先頭と末尾に設定] を選択します。フラグを設定したイベントには赤い旗のマークが表示されます。フラグは解除するには、もう一度クリックするか、[フラグ] メニューの [全て取消] を選択します。

  2. 音楽を再生します。
    [編集] メニューの [再生] を選択するか、ツールバーの[再生]ボタンをクリックします。再生前に早送り、巻戻しをすることによって、再生開始時間を指定することができます。

  3. ワイプタイミング入力を行います。
    音楽の再生ポイントがテキストのフラグを立てた位置に来たら、スペースキーを押します。すると、楽曲とイベントの色替え時間との対応が取られ、フラグは青色に変わります。最後のタイミング入力が終了した後にもう1回キー入力を行うと、その時点で再生は打ち切られます。何もしなければ、その10秒後に再生が終了します。

  4. 指定した色替え時間を反映させます。
    再生が終了すると、実際に反映を行うかどうかの確認ダイアログが表示されます。「はい」を選択すると指定した色替え時間が反映されます。この時、各イベントの色替え時間の線形補完による微調整を行い、より自然なワイプが行えるようにします。キャンセルしたい場合は「いいえ」を選択します。

フラグの数とキーを押された回数が一致しない間は、最後のイベントの表示時間を超えるまで再生が続行されます。再生中に編集を中止したい時は、[編集] メニューの [中止] を選択するか、ツールバーの[停止]ボタンをクリックします。この場合、反映はされません。
ワイプタイミングの微調整
イベントバーのテキストを左クリックしてドラッグすることにより、ワイプタイミングの微調整を行うことができます。例えば、フラグを3点設定してワイプタイミング入力を行った後に「最初のフラグの入力タイミングを間違えた。もう少しだけ手前にしたい」という状況の場合。フラグを設定したまま、最初のイベントをドラッグすることにより、そのイベントのワイプタイミングを修正することが可能です。この修正に合わせて、最後のフラグが立っているイベントまで微調整が行なわれます。
(※イベントの表示時間とフラグ設定状態により補正処理は異なります。)
色替え時間の変更
イベントバーの色替えマークを左クリックしてドラッグすることにより、任意のイベントだけ色替え時間を変更することができます。

 

リスト編集
コンテンツに含まれる全てのイベントを表示時間順にリスト表示します。コンディション表示によってイベントの重複表示の有メインウィンドウのメニューから [ツール] → [リスト編集] を選択するか、或いはツールバーの[リスト編集]ボタンを押します。

表示時間の変更
変更したい表示時間を選択して、ダブルクリックするか [編集] → [時間の変更] を選択することにより、編集モードになります。スピンボタンをクリックするか、キーボードで値を入力することによって変更します。ただし、前後に位置するイベントの表示時間の範囲内でしか変更することはできません。
ライフタイムの変更
変更したいライフタイムを選択して、ダブルクリックするか [編集] → [時間の変更] を選択することにより、編集モードになります。スピンボタンをクリックするか、キーボードで値を入力することによって変更します。
色替え時間の表示
色替え時間は、色替え処理が有効になっているイベントのみ表示します。この画面での変更はできません。
コンディション表示
×:同じプレーン上で表示時間もしくは表示位置が重複している (全てのイベントが対象)
△:色替え時間が 2000msec 未満
○:表示の重複、色替え時間、共に問題ない
イベントの前後移動
移動したいイベントを選択して、[編集]メニューから [前へ移動]・[後ろに移動] を選択するか、ツールバーの上下矢印ボタンをクリックすることによって、イベントの順番を前後に入れ替えることができます。ただし、同じブロック内で同じ表示時間のイベント間でしか移動することはできません。イベントはこのリスト順に再生されることが保証されているため、表示時間と表示位置が同じイベントの場合、リスト順が後ろ(下)のイベントがページ編集画面・再生画面においては上に表示されます。
イベント種別の表示/非表示
ツールバーの各イベント表示ボタンによって、イベントの種類毎に表示/非表示を切り替えることができます。[ALL]ボタンは全てのイベントの表示/非表示を切り替えます。また、[表示]メニューの各項目を選択することでも表示/非表示を切り替えることができます。これらの項目はトグル動作をします。

 

グラフィックストラックリスト編集
コンテンツに含まれる全てのブロックとイベントの情報をリスト表示します。上から表示時間順に並べられ、全ての属性と効果の情報を表示します。ようするに、イベント設定ダイアログに含まれる全ての項目を一覧形式で参照することができます。各項目は画面上で変更することができ、また、アトリビュートのコピー&ペーストを行なうことも可能です。
メインウィンドウのメニューから [ツール] → [グラフィックストラックリスト編集] を選択します。

アトリビュートの変更
まず変更したいセルを選択します。リターンキー、ダブルクリック、[アイテムアトリビュート] ボタンをクリック、あるいは [編集]→[アイテムアトリビュート] を選択することにより編集モードになります。編集モードは各項目によって以下のように異なります。変更した値は、リターンキーを押すか別のセルをクリックすることにより確定します。
テキスト入力:
テキストイベント…テキストボックスが表示されます
数値入力:
スピンボタンが表示されます
イメージ指定:
イメージ・イメージタイルイベント…イメージ指定ダイアログが表示されます
ビットマップ・ビットマップタイルイベント…ビットマップ指定ダイアログが表示されます
色指定:
色指定ダイアログが表示されます
シーケンス情報:
移動…移動シーケンスの設定ウィンドウが表示されます
コンボボックス:
選択項目がプルダウン表示されます
有効/無効指定:
チェックボックスの有効/無効が切り替わります(※編集モードは存在しません)
"有効" にすると、その属性に関する詳細項目が表示され編集可能となります
"無効" にすると、その属性に関する詳細項目はグレーとなり編集不可となります
※表示時間
表示時間は、ブロックとイベントで基準となる時間位置が異なりますので注意してください。
ブロック:コンテンツ先頭からの表示時間
ブロックの表示時間順に変更が生じた場合、ブロックごと(イベントも含めて)表示順(行)が入れ替わります
イベント:ブロック先頭からの表示時間
同じブロック内でイベントの表示時間順に変更が生じた場合、イベントの表示順(行)が入れ替わります
※ライフタイム
ブロックのライフタイムは編集することができません。そのブロックに含まれるイベントの表示時間とライフタイムによって、ブロックのライフタイムが自動計算されます。
※イベント設定ダイアログの表示
任意のイベントの行を選択し、[アトリビュート] ボタンをクリック、あるいは [編集]→[アトリビュート] を選択することにより、そのイベントの設定ダイアログが表示されます。
コピー&ペースト
項目の値をコピー&ペーストすることができます。まずコピー元のセルを選択し、[コピー]ボタンをクリック、あるいは[編集]→[コピー] を選択します。次にコピー先のセルを選択し、[貼り付け]ボタンをクリック、あるいは[編集]→[貼り付け] を選択することにより、コピー元の値がコピー先に貼り付けられます。ただし、同じ形式の値しか貼り付けることはできません。同じ形式なら異なる項目への貼り付けも可能です。
イベントの表示/非表示
ツールバーの各イベント表示ボタンによって、イベントの種類毎に表示/非表示を切り替えることができます。[ALL]ボタンは全てのイベントの表示/非表示を切り替えます。また、[表示]→[イベント]メニューの各項目を選択することでも表示/非表示を切り替えることができます。これらの項目はトグル動作をします。
属性の表示/非表示
ツールバーの各属性表示ボタンによって、属性の種類毎に表示/非表示を切り替えることができます。また、[表示]→[属性]メニューの各項目を選択することでも表示/非表示を切り替えることができます。これらの項目はトグル動作をします。
複数イベント同時編集
複数のイベントの属性を同時に設定することができます。任意のイベント行を複数選択し、[アトリビュート] ボタンをクリック、あるいは [編集]→[アトリビュート] 選択することにより、複数イベント編集ダイアログが表示されます。属性タブは選択されているイベントの種類によって異なり、必要な属性しか表示されません。以下は全てのイベントが選択されている場合の複数イベント編集ダイアログです。

任意の項目を設定し[OK]ボタンでダイアログを閉じると、選択状態である全てのイベントに変更が反映されます。ただし、その属性を持っていないイベントやブロックへは反映されません。

色属性やイメージ指定はチェックボックスをONにした時だけ反映されます。
有効/無効指定のチェックボックスはON→グレー表示→OFFと切り替わります。ONとOFFは有効/無効の設定として反映されますので、反映させたくない場合はグレー表示にしてください。

絞込み機能
絞込みバーの左に絞込み項目、右に絞込み値を入力を入力することにより、絞込み値の条件に合致したイベントのみを表示させます。

 

重複チェック
グラフィックストラックのテキスト表示が画面上及び時間軸上で重複するかどうかをチェックします。テキストイベントだけが対象となります。また、表示プレーンに関係なくチェックを行ないます。
グラフィックストラックを選択しメインウィンドウのメニューから[ツール]→[重複チェック]を選択すると、重複チェックダイアログが開き結果が表示されます。ただし、グラフィックストラックに2つ以上のブロックが存在しないと実行することはできません。
このウィンドウからブロック編集ウィンドウを開くこともできます。 表示された重複結果からいずれかを選択して、ダブルクリックするか [ブロック編集]ボタンを押すことにより、左側に表示されているブロックの編集画面が表示されます。

チェック開始ボタン
テキストの重複チェックを開始し、結果をリストボックスに表示します。
ブロック編集ボタン
重複したイベントを含むブロックの編集画面を表示します。
閉じるボタン
このダイアログを閉じます。

 

ブロック一覧
グラフィックストラックに作成されているブロックの一覧を表示します。グラフィックストラックを選択しメインウィンドウのメニューから[ツール]→[ブロック一覧]を選択すると、ページ一覧ウィンドウが表示されます。

ブロック編集
任意のブロックを選択して、ダブルクリックするか [編集]→[ブロック編集]を選択することにより、ブロック編集ウィンドウが開き選択したブロックの画面が表示されます。
表示倍率の変更
[表示]→[倍率]メニューで [×0.5] [×1] [×2] のいずれかを選択することにより、ブロックの表示倍率を変更します。ブロック一覧ウィンドウを開いた直後は等倍(×1)で表示されます。

 

コンテンツ情報の設定
SCASでは制作するコンテンツの情報を設定する必要があります。キャリア仕様のコンテンツに従った設定を行ってください。コンテンツ情報ダイアログは、メインウィンドウのメニューから[編集]→[コンテンツ情報]を選択すると表示されます。

SMAF情報

コンテンツクラス
変更は出来ません。
キャリア専用のコンテンツクラスが設定されています。
コンテンツタイプ
キャリアの仕様に基づいたコンテンツタイプを設定します。
スコアトラックの内容によって、選択できるコンテンツタイプのリストがその都度変化します。
文字コード
変更はできません。
キャリア専用の文字コードが設定されています。
コピーステータス
コンテンツの編集・保存・転送の可/不可を設定します。
キャリアの仕様に基づいて選択します。
SCAS MA-2 から cas ファイルを流用する場合には、編集可と設定された状態となります。
曲名
曲の名称を設定します。
アーティスト名
アーティスト名を設定します。
作詞
作詞者名を設定します。
作曲
作曲者名を設定します。
編曲
編曲者名を設定します。
カテゴリ
曲のカテゴリを設定します。
ベンダー
データを作成したベンダー名を設定します。
Copyright(c)
著作権や知的所有権関連の情報を設定します。
キャリア
キャリアの情報を設定します。
管理者団体名
管理者の名称を設定します。
管理情報
管理情報を設定します。

 

レンダリングサイズ

制作画面レンダリングサイズ
通常はファイル出力RSタグと同じ値を設定してください。
異なる値を指定した時の利用方法は制作レンダリングサイズ、出力RSサイズの使い方をご覧ください。
ファイル出力RSタグ
コンテンツを描画すべきサイズを設定します。Q-VGA、QQ-VGAによって選択するサイズが異なります。
Q-VGAガイドラインコンテンツ を作成する場合は、240x240 を選択します。
QQ-VGAガイドラインコンテンツ を作成する場合は、120x120 を選択します。
ここで設定されているレンダリングサイズが、ページ編集ウィンドウ,ブロック編集ウィンドウ,ブロック一覧ウィンドウの表示に反映されます

 

原点指定

原点指定
原点指定の有効無効を選択できます。
X座標 / Y座標
X座標・Y座標の値及び座標系を選択します。入力範囲は、標準座標系・対称座標系の [X座標] [Y座標] が -2048 〜 2047、レイアウト座標系の [X座標] [Y座標] が 0 〜 127です。
幅 / 高さ
幅・高さの値を選択します。入力範囲は 1 〜 2047です。
リセットボタン
原点指定を現在のファイル出力RSタグに自動的に合わせます。

※原点指定機能は、LCDの大きさによらずある領域内を絶対座標で指定できるようにしたものです。LCDの大きさによらず汎用のコンテンツを作るための補助機能になります。詳細は座標の原点移動を参照してください。
※ 原点指定を有効にすると、原点指定の座標系によって、ページ編集ウィンドウの制作画面レンダリングサイズの実線枠とファイル出力RSタグの破線枠の位置関係が変わる場合があります。詳細はこちらをご覧ください。

 

端末情報

使用可能メモリ
携帯端末で使うことのできるメモリサイズです。メインウィンドウのメモリ使用量表示ウィンドウに反映されます。特に理由がない限り"固定モード"を選択してください。
最大イメージサイズ
取り込むことのできる最大イメージのサイズを制限します。入力範囲は、 [幅] [高さ] ともに 0 〜 32767です。